宅建士とは?何ができる資格?試験の合格率は?

宅建試験は、正式には「宅地建物取引士資格試験」と呼ばれ、宅地建物取引士(通称、宅建士)の資格を得るために必要な資格試験です。

宅建試験の受験者には、「会社で受けさせられる」「就職・転職に活用したい」「新しいことに挑戦したい」など様々な理由を持った人がいます。

ここでは、宅建を初めて受験する方に向けて、宅建士とは何か、宅建士になるために必要なこと、宅建試験の基本事項について説明します。

宅建士とは

宅地建物取引業とは

宅建士を理解するには、まず宅地建物取引業(宅建業)が何であるかを知る必要があります。

一般に不動産業とは、不動産に関する幅広い業務を含みます。そのうち宅建業と呼ばれるものは、次の二つを事業として不特定多数に対し、継続的に行うことを指すと宅建業法により定められています。

  • 宅地建物の売買・交換
  • 宅地建物の売買・交換・賃借の媒介・代理

つまり、マンション等の建物やそれを建てるための土地を売買・交換したりアパートの持ち主の代わりにその物件を斡旋し、借りる人との賃貸取引を仲介したりすることが宅建業にあたります。いわゆる「不動産屋」と呼ばれる店が、この宅建業を行なっています。

宅建士にしかできない業務

不動産取引は権利関係や取引条件が複雑であるため、物件を買う側・借りる側が不測の損害を被ることがないように手厚く保護する必要があります。特に、一般消費者は不動産に関する知識が少ない場合がほとんどですので、契約についての詳しい説明をすることが宅建業を営む上で重要な手続きとなります。

この不動産取引における「消費者への説明」とそれに付随する書類手続きを専門的に行う職業が、宅地宅建取引士(宅建士)です。具体的には、不動産契約における「重要事項説明」というプロセスは宅建士の独占業務となっており、宅建士の資格を持っていないと行うことができません。

つまり、宅地建物の取引は宅建士抜きでは最後まで行うことができないため、宅建業を営む不動産業者は必ず専任の宅建士を雇って事務所に常駐させる必要があります。この点で、宅建士は不動産業者にとってなくてはならない存在なのです。

宅建士が何をする職業なのか、何となくお分かりいただけたでしょうか?それでは次に、実際に宅建士になるには何が必要かについて、宅建試験の概要、出題範囲、合格率・難易度、スケジュールなどを含めて説明していきます。

宅建試験の概要

試験形式

全50問で、4択問題による筆記試験(マークシート)です。試験時間は2時間です。なお、過去3年以内に登録講習を修了している受験者は5問分を正解として採点する5問免除制度があり、この場合一部範囲を除いた45問を受験します。登録講習は宅建業の従事者のみ対象となるためご注意ください。(参考: 登録講習について)

試験会場

都道府県単位で実施されるので、原則として今住んでいる都道府県の試験会場での受験になります。

試験日

毎年10月の第3日曜日に実施され、11月の最終水曜日もしくは12月の第1水曜日に合格発表が行われます。令和2・3年度の宅建試験は、新型感染症の影響で特別に10月・12月の年2回開催されました。

受験手数料

宅建試験の受験料は7000円です。合格後宅建士として働くには都道府県への登録料などが別途かかりますが、例えば就活のために「宅地建物取引士資格試験 合格」と履歴書に書きたいという場合は、受験料7000円のみが必要になります。

受験資格

宅建試験は、国籍・学歴・実務経験などを問わず誰でも受験することができます。年齢制限も無いため、これまで最年少で12歳、最年長で90歳の合格者が出ています。(参考: 平成 30 年度宅地建物取引士資格試験の結果について)

出題範囲

宅建試験の問題は、大きく以下の4分野から出題されています。

  1. 権利関係
  2. 法令上の制限
  3. 宅建業法
  4. 税・その他

「権利関係」では、個人間の法律関係を定めた民法のうち、不動産の売買や賃貸借の契約に関するルールの部分について主に出題されます。不動産取引当事者の権利関係について学ぶ分野となります。

「法令上の制限」は、不動産や土地利用に対する制限という意味で、都市計画法や建築基準法などの法律の知識について出題されます。

「宅建業法」は宅地建物取引業法の略で、安全な不動産取引を行うために知らなければいけない規制等についての分野です。まさに宅建士の独占業務である「重要事項説明(35条書面)」や「契約書(37条書面)」についても出題される上、過去問と似た内容が出ることが多いので最重要分野と言えます。

「税・その他」では、不動産に関する税制度について出題されます。

合格率・難易度

過去10回分の合格率は約15-18%となっています。約6人に1人なので、合格率だけで言えば難易度は高めだと言えます。

宅建と同様、受験資格の制限が無く幅広い人が受験している国家試験に「基本情報技術者試験」がありますが、こちらの合格率は約25%となっています。宅建の合格率は、飛び抜けているというほどではないがやはり低い方ではあるでしょう。

試験自体の難易度ですが、出題される問題の半分以上は過去問に類題があったり、過去問と問われている知識が同じであったりするため、運が絡む要素が少なく勉強にかけた時間がそのまま点数に繋がるタイプの資格試験だと言えます。

一方で、学習範囲が広く勉強量が膨大になるので、対策が長期間になることが予想されます。独学での合格を目指す場合、いかにして勉強時間を確保しつつモチベーションを維持できるかが課題になります。

何から手をつければ良いか分からないという人は、 まずは「基本用語ページを一日1,2個読む」といったことから始めてみましょう!

長期の対策になるので、見切り発進で終わらないために「これなら確実に毎日やる」というラインを設定してそれを継続することが、独学での対策では重要です!

スケジュール

参考: 宅建試験のスケジュール

※()内は12月試験の場合の日程です。

7月初旬~中旬 試験案内の掲載・申込受付

一般財団法人不動産適正取引推進機構ホームページに試験案内が掲載されるので、受験申込を行います。申込はインターネット上で行うことができます。郵送申込の場合は受付期間が7月末まであり、インターネット申込より少し長めに設定されています。

8月下旬 試験会場通知・12月試験通知の送付

10月試験となった受験者に試験会場通知が届きます。前述の通り、原則今住んでいる都道府県の会場での受験になります。12月試験となった受験者には、試験会場通知の代わりに12月試験通知が送付されます。いずれも届かない場合は各都道府県の協力機関に問い合わせましょう。

9月末(11月末) 受験票の送付

ここから10月受験者と12月受験者のスケジュールが分かれます。 試験日の約一か月前に受験票が届くので、大切に保管しておきましょう。

10月第3日曜日(12月第3日曜日) 試験本番

試験後に資格予備校が解答例を公開するので、それを参考に自己採点をすることができます。宅建試験の合格点は回によって変動しますが、試験実施概況(過去10年間)を見ると、直近10年で最も高かった合格点は令和2年度10月試験の38点となっています。38点以上なら一安心、34-37点の方はドキドキして発表を迎えることになることでしょう。

11月の最終水曜日 or 12月の第1水曜日 (2月初旬)合格発表

合格発表は、当日9時30分に一般財団法人不動産適正取引推進機構ホームページにて行われます。

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